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のあーる・とあーる夜話

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昔のこと、今のこと、ほんの少し明日のこと。




 お久しぶりの更新です。
 またしても前回の更新からすご〜く間が空いてしまいましたね(-_-;)
 すっかりイベント報告の場と化してますが、今回も例によって…ご報告です。

 J.GARDEN32に参加しました〜♪
 今回は4月1日、エイプリルフールの日に開催。『お話を書く』=『どれだけ楽しい大ボラを吹くか』と思っているので、ぴったりな日だなぁと思いました。お天気も前日は嵐に見舞われましたが、すっきり晴れて(ちょっと肌寒かったけど)何よりでした。
 でも、やっちまいましたよ、大ドジ。前回もフリーペーパーの日付を間違えたのですが、今回はスペースを間違えた…。
 参加も3回目ですし余裕で準備を終えて、今回初めてお手伝いをお願いした友人(JUNE愛好家。でも一人では会場を歩けない小心者←ひどい言い草)とガイドをチェックしていた時、「あれ?」と気がついたんですよ。
「私ってスペース “ に ” だっけ?」
「えっ? ここ “ な ” だよ!」
 ガイドを見たら “ に ” だし、自分で作ったポスターも “ に ” になってる。私、“ な ” の番号にお店広げちゃってます。
「きゃー! 間違った〜」
「本当はどこなのよ?!」
 すでに開場10分前! 
『よろしくお願いしま〜す』と笑顔で挨拶して下さったお隣さんへ、恥ずかしかったけど「間違えました〜」と別れを告げて大慌てで移動しました。そして今来ましたのよという顔でお隣さんにご挨拶。
 友人の機敏な働きのお陰で3分前には準備完了。ほっとしたら何だか可笑しくなって、しばらく二人で笑ってました。不幸中の幸い(?)か、“ な ” のスペースの方は欠席されたようで、いらっしゃらなかったのですけども…ごめんなさ〜い。

 新刊出せなかったので、どうかな…と心配だったのですが、絵師の本間さんの漫画(右の写真)がありましたし、豆本(左の写真右奥に蛇腹の小さなのが豆本)効果もちょっとあったみたいです。
 お知り合いや友人、毎回訪ねて下さるお客様もいて、とても有り難かったです。どうもありがとうございました。
 毎度思うのですが、お客様って獲物を狙うハンターみたいですよね。スペースを訪ねて来る友人たちも、口を揃えて「観察してるのが楽しい」と言ってました。
 今回特に、20代前半くらいの可愛い顔した男性が二人、柱の傍に立ってそりゃあ楽しそうに本(同人誌かガイドかは不明)をめくっておしゃべりしてたのが印象的で、いっそフリーペーパーを配って来ようかと思いましたが、勇気が出ませんでした。
 友人曰く「狩りデビューしたてで、玄人のまたぎではない」初々しさがありました(笑) 
 私が狩り(買い物)に行っている間留守番してくれた友人が目撃したお客様は、パンピーとは明らかに違うオーラを放ったモデルみたいに美しい女性の二人連れだったそう。
「ペーパー渡してくれた?」と聞いたら、「異次元の世界の人みたいで近づけなかった…」そうです。ああ、見てみたかった…。

 今回も素敵な獲物をゲットしましたし、大好きな作家さんと同じ日に同じ会場でお店を開けましたし、同人活動を始めた当初の夢が全部叶って大満足しています。次回は、また自分が満足できる新刊が作れた時を予定しています(委託参加は検討中です)。
 改めて、今まで手伝ってくれた友人、絵師さま(本当にありがとう!)、お立ち寄り下さいましたお客様、またお買い上げ下さいましたお客様、そして、イベントスタッフの方々に感謝申し上げます。
 素敵な楽しい時間をありがとうございました。
 また参加出来るよう、頑張ってお話を書き続けようと思います♪
# by apodeco | 2012-04-02 22:45 | ご紹介 | Comments(0)
 今日は立冬です。でも、ふ〜ゆ〜が、は〜じまるよ〜♪  …とは思えないぼど暑いですね。会社の男の子は未だに半袖を着ています。いつになったらコートを着られるんでしょうか。
 カレンダーをあと一枚めくったら、もうクリスマスだというのに…。南半球じゃないんだから、半袖のクリスマスは嫌だなぁ。
 節電の必要があるので極寒も困りますけど、もう少し11月らしくなってほしいものです。

 ここのところ、ずっと体の具合が悪かったので、何かを作る気力も体力もなく、気がつけば11月です。
こちら『のあーる・とあーる夜話』の更新も、今年はまだ二回しかしてなかったのですねぇ…。やるやるって口ばかりで、すっかりオオカミ中年になってしまいました。
 地震の影響があるとはいえ、ちょっと反省。今年も、もう残り少ないですが、頑張りたいと思います。

 さて、今回は一緒に同人活動をしている絵師さま、本間まりさんの漫画をご紹介致します。
 10月9日のJ.GARDEN31で無料配布したものです。本編は来春4月1日のJ.GARDEN32にて販売予定ですので、こちらは予告編になります。

 本間さんには私の処女同人誌の表紙絵と、書き下ろしの扉絵を描いて頂きました。ヘタレ攻の友彰をそれはそれは素敵に描いて下さって、大変気に入っています。
「シンデレラのガラスの靴を描いて〜」などと簡単にお願いしましたが、二つ返事で引き受けて下さって、データを頂いた時は感激しました。これ、自分じゃぜってーかけねー…。
(6月の振替開催のご報告に写真が出てますので、ついでに覗いて見て下さいませ)

 本間さんご自身は、BL漫画は初挑戦になります。やはり色々と勝手が違うようで、苦心されてるみたいです。既に「絡みは描けない…」と泣きが入っておりますが、それは、それ。独特の絵と作風でご自分の萌を追求して頂きたいと思います。
 小さなお子さんを育てながらの創作活動ですし、暴露しちゃうと私と同い年ですので、まあ、色んな意味で心臓バクバクさせながら頑張ってますので、どうぞ応援して下さいませ。

タイトル : V O N (ボイス オーバー ナビゲーション) [LITE MY FIRE]

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# by apodeco | 2011-11-08 23:04 | ご紹介 | Comments(0)
 金木犀の息苦しいくらいの芳香に、やっと秋がやって来たな〜としみじみ…。
 そして、前回の更新からまたまた三ヵ月も間が空いてしまい、J.GARDEN初参加のご報告の次が、秋のJ.GARDEN参加のご報告になってしまいました…(-_-;)
 イベント参加の楽しさに味を占めてしまい、続けて申し込みをしたのはいいのですが、時間があまりなかったため、準備にかかりっきりになっていました。
 うす〜い本ですが、何とか新刊ご用意出来ましたし、一緒に参加してくださった絵師さまに励まされて、フリーペーパーに漫画も描いてみました。
 たったの2ページなのですが、初めての事ですし、9月の連休全部つぶして(小説書くより時間かかりました…)描いたのですが、お買い上げ下さいましたお客様にお配りするのが精々でした…哀しい(T_T)
 どうしようか迷いましたが、こちらは本来イラストブログですので、すっごく恥ずかしいですが思い切って公開します。
(日付が6日になってます。間違えました。粗忽者なので、よくこういう間違いをしますうぅぅ…)



 イラストは描いてましたが、こうしてコマを割って、同じ顔をいくつも描く…というのは初めてです。
 むか〜し、むかし、漫画家になりたいと思った時期もあったので、『死ぬまでにやりたい〇〇の項目』じゃないですが、「やれる時にやってみよう!」という事で、まずペーパーで2Pものに挑戦してみました。
 さあ、この次は8〜10Pの本格的な漫画を描くぞ〜っと思っていますが、たぶん、来春の庭までには間に合わない…(この2Pを仕上げるのに、どんだけ時間かかったか…死ぬ〜)ので、いつの日か小説の横に並べられる日が来るのを夢見て頑張ります。

 さて、J.GARDEN31ですが、こちらはやはり振替開催から日が近かったせいか、サークルさんの数が少なかった気がします。新刊を出せた方も少なかったのでは…と思いますが、私自身は収穫が多く大満足でした。2回目の参加で気分的に余裕もありましたし、事前にサークルさんのチェックもして来ましたので、素敵な作家さまをたくさん発掘出来ました。
 スペースの方へは、前回から引き続き来て下さった方が何人もいらして、大変嬉しく有り難かったです。ご感想も頂けましたし、お立ち寄りくださいました皆さま、本当にありがとうございました!m(_ _)m
 相変わらずあの場にいるとすごく緊張するので、満足にお話出来なくなっちゃうのですが、伺ったご感想はしっかりお話作りに活かしていきますので、今後ともよろしくお願いしま〜す。(サイトのお話の続編についてはDiaryの方でお知らせ致しますね)
 来春の庭ではまっさらな新作を出す予定です。サイトとは系統の違う、出来るだけBLっぽいのに挑戦したいと思っています。それと、また何か小さなプレゼントをご用意したいと思います。前回出来なかったしおり引き、とっても楽しく出来ましたので♪

 10月中に、あと2回くらい更新したいと思いますので、お暇な時にまた覗いて見てくださいませ〜。
# by apodeco | 2011-10-11 23:44 | ご紹介 | Trackback | Comments(0)
 半年振りの更新です。ご無沙汰しておりました。
 こんなに更新が空いたのは腸閉塞で入院して以来二度目ですね。
 3月まではイベントの準備に追われていたせいなんですが、3月からは震災の影響で、結局半年間も放置状態が続いてしまいました。
 当時の事はBLサイトのDiaryに書いておりますが、体調を崩したり精神的にも参ってしまい、萌え魂が薄れたりしましたが、気持ちを切り替えて更新を再開したいと思います。
 今回は震災により6月26日に振替開催になりましたJ.GARDEN30へサークル参加したご報告です。
 でも、まず萌を語る前に…
「東北地方太平洋沖地震」により被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、
 亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

 あっという間だった気もしますし、長かったような気もします。
 でも、まだ復興が進まずご苦労されている方々がいらっしゃいます。節電ですとか募金くらいしかできないのですが、これからも自分にできる支援をして行きたいと思います。


 いつかは出るぞ〜と思いながら一般参加していたJ.GARDEN。
 遂に出るぞ〜!と、友人を巻き込んで(いろんな人にご迷惑おかけして)同人誌を作りましたので、ご参加できなかったサークル様も多数いらして残念だったのですが、無事開催できてほっとしました。

▲店頭の様子。 『Mr.シンデレラ』の裏表紙には続編の林、亮介兄さん、喜一がいるんです♪

 とにかく初めてなので、何をやるのもモタモタしてしまい、9時半から準備していたのに気がついたらもう11時〜?! 友人が3人来てくれる予定でしたが、2人が急な用事で来られなくなり(←あてにしていた)「うう…じゃあ、1冊売れたら良い方かな…」と思って迎えた開場時間。
 開会宣言のアナウンスとともに拍手して、お客様がどどどぉ〜っと人気サークル様へ向かう様子を、
「おお〜」と感嘆しながら眺めました。そのあと暫く友人と「あとで交代で見て回ろうね〜」と話しながらガイドのチェックをしていたのですが、「あの、真夜中…真夜中…」という声が聞こえました。
「えっ? うちです、うちです〜!」
 まさか、すぐにお客様が来てくださるとは思ってなかったので、アワアワしてしまいました。私は突発的な事に弱いので友人がキビキビ対応してくれましたが、プレゼントにお渡ししたチョコを包んでいたレースの使い途を説明するのをど忘れしました。
 写真のビニールに入ったやつです。編みっぱなしなのでクルクルしてますが、リボンを外して頂き、水通ししてアイロンをかけて頂くとコースターとして使えますんで、どうぞ捨てないでくださいましね〜。
 他にも「真夜中…真夜中…」と呟きながら訪ねてくださった方がいて、いっそサークル名を『真夜中』にしようかと思いました。いつもサイトを見てくださっているとの事で、大変有り難く嬉しかったです。
また、通りすがりに気に入って買って下さった方もいらして感激しました。
 残念だったのは、30回記念企画の出会いおみくじの効果がなかった事。
 くじだけでもお持ち頂ければ、和紙で作ったしおり(全部柄が違うので、紐付き飴みたいに糸を引いて頂く)をプレゼントする予定でしたが、どなたもいらっしゃらなかったので、手伝ってくれた友人と、お隣のサークル様に記念に引いてもらいました。
 中に2枚、私の描いたイラストが入っていて、これを引くとチョコをプレゼントするつもりでした。何とお隣のサークル様が見事お引きになり、チョコをプレゼント致しました(笑)
 友人曰く、「みんな目がハンターみたいに狙った獲物しか目に入ってない」から、きっとくじを引いても買うのに忙しくて行かないんじゃないか…と。
 たくさん残っているので、次のイベントの時もやろうと思ったのですが、そう言われれば、みんな買ったらそそくさと次の獲物へ!って感じで移動されるので、時間を取られる“紐付きしおり”は好まれないかもしれないですね。
 そんな中、「『Mr.シンデレラ』の続きを待ってます」とご感想くださいましたお客様がいらして、大変嬉しかったです。ありがとうございました。遅筆ですし、あっちもこっちも書きかけ状態で、すぐには書けないのですけど、必ず書きますので気長にお付き合いくださいませね。
(その場でもお話ししましたが、年末くらいから手をつけたいと思ってます)

 こんな感じで、あっと言う間の5時間でした。きっと時間を持て余すだろうと、重いのにスケッチブックと色鉛筆を持参したのですが、忙しくて出番はありませんでした。
 大変楽しかったです。お立ち寄りくださいました皆さま、本当にありがとうございました。
 友人や懇意にして頂いているサークル様から差し入れも頂きましたし、お手伝いしてくれた友人にもこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございましたm(_ _)m

 次回は秋のJ.GARDEN31に、『Mr.シンデレラ』の表紙絵を描いて頂いた絵師様と参加予定です。彼女の漫画と私の新刊を予定しています。
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# by apodeco | 2011-06-27 21:29 | ご紹介 | Trackback | Comments(2)
 先月また飛んでしまいました。
 11月は出かける機会が多く、書く時間がなくなってしまいました。まあ、外に出ないと書く話題も手に入りませんけれど。もう師走ですね…一年が本当に早く感じます。

 11月最後の週の土曜日に友人の写真展へ行って来ました。
 何を隠そう、私は写真学校へ通っておりましたのよ。写真の勉強してましたなんて、言うのも恥ずかしい写真を載せてますけども、現在もお付き合いのある良い友人をたくさん得る事が出来ました。今じゃ使い途ないですが、貴重な手焼きの写真技術を習えましたし、何より楽しい日々でした。今でも行って良かったと思っています。
 私は止めてしまいましたけど、友人はビデオ撮影の仕事につき、毎年写真展を開いて立派に活動を続けています。今の私は『書く』事が楽しくて仕方ないのですが、友人は今も『撮る』事が楽しくて仕方ないのだそうです。撮る事が、生きる事なんですね。
 展示されていた写真は友人が生死の境を彷徨う大病を患った時のもので、今現在のものではないのですが、完治して病気の恐怖から解放された今だからこそ出せると思ったそうです。当時は入院したという事しか知らされず、心配する事しか出来ませんでしたから、改めて当時の写真を見せられて、今、元気で過ごしている友人を見ると感慨深いものがありました。
 私も年を取り病気がちになりましたが、朝起きたときに自分が生きている事を確認する…そんな経験はありません。どんなにか不安で恐ろしい毎日だっただろうと思います。目の前でにこにこと笑っている友人と、こうしてお喋りできる事が本当に…何に感謝してよいか分かりませんが、有り難い事と思いました。

写真は会場の『大倉山記念館』です。素敵な建物でしょう。昭和七年に建てられたものだそうです。
古い建築物フェチ(?)である私としては涎物で、建物の中をあっちこっち見て回りました。


太陽の光を受けて黄色く見えています。ガラスがこういう色なんでしょうか。ちょっと不思議。


この扉の向こうがギャラリーです。友人の写真展はこちらで、この上の講堂で音楽会が開かれていました。


右側から見た所。くるっと一周しましたが、全然別の建物かと思うほど違っていて面白かったです。


 トイレが各階にあるのですが、1階がマニアックと言われて入って来ました(笑)
 男女別れてないのですが、上手く改装していて気になりませんでした。一つは和式でもう一つは洋式。古いトイレにある不潔感は全くないです。でも、ちょ〜寒い! 大理石とかタイルの装飾なので冷た〜い感じだし、広いからスースーするの。これでヒーター付の便座なら言う事ないのにな〜と思いました。
 昨今、こうした古い貴重な建築物がなくなりつつありますし、来年は古い建築物ツアーでもしようかと思っています。こちらでその模様をお伝えしますのでお楽しみに。

追記:先日最終回を迎えたドラマ『検事・鬼島平八郎』(浜田雅功主演)で使われていたんですね〜。家人に言われてやっと気がつきました。


 さあ、萌の吐き納めですから、お次はよろず感想文で〜す。
 本屋のポップにつられて買った漫画、2010年の手塚治虫文化賞「新生賞」を受けた『虫と歌』です。

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

市川 春子 / 講談社

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 実は、『手塚治虫文化賞』なんてものがあるのも知らなかったのですが(笑)。
 最近『バクマン』をちらみしていて、あれも『手塚賞』を狙ってますが、あっちは集英社の新人賞なのね。こちらは朝日新聞社主催で「現在の漫画をよく読む人」が審査員なんだそうで、漫画を描いてる側からしたらどうなのかな…とも思いましたが、まあ、そんな事は置いといて。大変面白かったです。
 今、友人に貸してしまっていて、あらすじが書けない…ので、こちらを参照くださいませ。最近、とっても横着になりましてよ…ええ。現在作品の紹介が載っておりますが、来年になったら消えちゃうかも。
 新生賞とは、「斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られる」との事ですが、本当に発想が面白いなと思いました。この賞は特に手塚先生の作品を意識したものに贈られる訳じゃないのですが、市川春子さんの作品には、手塚先生の作品を読むときに感じる、『生命の輝き』を感じました。
 四編の短編からなっています。全て人と、人でないものとの心の交流を描いた作品です。人が勝手に無機物を人に見立てて(最近多いですよね、擬人化)いるのではなく、人でないものがきちんと人格を持ち、喋り、考え、悩み、人と心を深く通わせます。とても不思議なお話で、ファンタジー…と言っていいか分かりませんが、現実にはあり得ないお話ばかりです。
 私は表題の『虫と歌』がとても良かったのですが、読みながら手塚先生の『ミクロイドS』を思い出しました。虫繋がりってだけじゃなく、生きている事、他者との間に紡がれる情愛と、結果的に生じる切なさと…いろんな事を考えさせられるお話です。
 そう言えば、手塚先生も荒唐無稽なお話をたくさん描いてますけど、ファンタジーと思って読んだ事ないですね。説得力があったからかしら…。『ミクロイドS』にしても『不思議なメルモ』にしても、違和感なく受け入れて読んでましたっけ。
 『虫と歌』の四編に関して言えば、逆に現実感は必要ないかも知れません。絵は決して上手くないですが、その不思議な世界がしっかりと創り出されていて素敵です。難を言えば時間軸がよく分かりません。回想と現行の部分がごっちゃになっていたり、時間の経過がいきなり過ぎる所も見受けられました。

「マンガは絵と文でできている。絵では表せない、言葉にもできない思いを、絵と文の間からたくさん感じとれるような、そんなマンガを目指します」との事ですが、たくさん感じ取る事が出来ましたよ。(とても共感する言葉です。私も文章の間から何かを感じ取って貰えるようなお話を書きたいものです)
 お仕事をされながら、一年に一作のペースで創作活動を続けられるそうです。また市川さん独特の素敵な世界が読める日を心待ちにしたいと思います。

 次回もよろず感想文、『ひらひらひゅ〜ん』と作者の西炯子先生について書きたいと思います。
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# by apodeco | 2010-12-01 22:27 | よろず感想文 | Trackback | Comments(0)
 金木犀の香りが部屋の中まで届いています。10月の香りですね。
 でも、ちょっと香り過ぎて臭い…。近所にいっぱい植わってますから仕方ないけど、何でもほどほどが良いですね…。

 草間先生の『マッチ売り』を読んでいると萌心が大いに刺激され、久し振りに昔話などをしようかと思いまして…。ちょうど『マッチ売り』の登場人物とほぼ同年代(少し下かな)の父の話です。
 私の父は北海道の生まれです。昭和23年頃は、下宿しながら高校へ通っていました。“眼鏡”が住んでいるのと同じ学生の下宿屋ですね。あんなに広くて綺麗じゃなかったろうと思います。田宮虎彦さんの小説に『菊坂』というのがありますが、この主人公が住んでいた下宿屋の方がぴったりくるかも知れません。当時の思い出は、いつでも「お腹が空いたな」と思っていた事だそうです。
 苦学生でしたが、バスケットボール部に入り、丸刈りが多い中自分だけ髪を伸ばし(天パーを誤魔化すため)ポマードで固めるなど洒落者でした。友だちも多く、貧しくも楽しい学校生活だったようです。
 父は時々、こうした若い頃の話を聞かせてくれました。私はその話を思い出しながら父の古いアルバムを捲るのが好きで、虫干しも兼ねてよく覗いたものです。『マッチ売り』の中の町並みを懐かしく感じたのは、当時の風景をアルバムの中で見慣れていたからも知れません。
 下の写真がそのアルバムです。以前、自分の小説の資料用に撮らせてもらったものです。


 白い文字は父が書いたもの。修学旅行で東京へ来た時の写真です。『靖国神社にて』って書いてある。列車の前の写真は上野駅ですって。他の頁にも友人の名前や、ちょっとした感想が綺麗な文字で書かれています。
 父のアルバムなのだから父が書いたんだと思いましたけど、普段はクセのあるミミズがのたくったような判読不能な文字を書くので、「これ、誰の字?」と母に聞くと、「お父さん。本当はすごく字が綺麗なのよ」と教えてくれました。
 丁寧に書くと達筆なんです(笑)。何で普段も綺麗に書かないんだろうと子ども心に不思議に思ったものですが、今は、それだけこのアルバムが大切なものだったのだと分かります。
 

 こちらは北海道で就職してからのもの。
 この後、いろいろあって田舎を捨てて上京し、会社を興しました。
“若社長”と一緒(笑)?

 就職してからは忙しかったのでしょうか、書き込みがなくなり、ただ挟んである状態のものもありました。それでも大切な人たちの写真なのでしょう、「この人、誰?」と聞くと、「〇〇さんだな…」と懐かしそうに話して聞かせてくれました。
 全ては、60年も前のお話です。
 父は戦争には行きませんでしたけど、母共々波乱に満ちた人生を歩んで来ましたので、いつか二人の話を書けたらいいなと思っています。それが最近の私の夢ですが、内容がBLっていうのは、少々親不孝な気がします…(勿論、普通の話も書きたいと思っていますよ!)
 縁起でもない事ですが、父が亡くなったら、このアルバムを形見分けに貰いたいと思っています。でも、80才近くなった今も全て自前の歯を持つ健康な父ですから、あの世のお迎えはもう少し先の事でしょうし、うかうかしていると私の方が先におっちんでしまいそうです。
 将来的に滅び行く家系ですから、アルバムと想い出を受け継いでも残していく者はおりません。このアルバムは、私が死ぬ時に一緒にお棺に入れて貰って、あの世に持って行く事になるでしょう。そうしたら、先に逝って待っているだろう両親に、またこのアルバムを眺めながら昔話を聞かせて貰おうと思っています。
 家人に話すと笑われますけどね。
「大丈夫。憎まれっ子世にはばかる、だから」…私も父も、きっと長生きするだろうと(笑)

 やっと訪れた秋の夜長、美味しい飲み物を用意して、昔話をつまみに語らうのも、なかなか良い親孝行になりますよ。
 
 
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# by apodeco | 2010-10-09 15:13 | 昔ばなし | Trackback | Comments(0)
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