2010年もあと少し。萌の吐き納めといきましょう 〜その1〜

 先月また飛んでしまいました。
 11月は出かける機会が多く、書く時間がなくなってしまいました。まあ、外に出ないと書く話題も手に入りませんけれど。もう師走ですね…一年が本当に早く感じます。

 11月最後の週の土曜日に友人の写真展へ行って来ました。
 何を隠そう、私は写真学校へ通っておりましたのよ。写真の勉強してましたなんて、言うのも恥ずかしい写真を載せてますけども、現在もお付き合いのある良い友人をたくさん得る事が出来ました。今じゃ使い途ないですが、貴重な手焼きの写真技術を習えましたし、何より楽しい日々でした。今でも行って良かったと思っています。
 私は止めてしまいましたけど、友人はビデオ撮影の仕事につき、毎年写真展を開いて立派に活動を続けています。今の私は『書く』事が楽しくて仕方ないのですが、友人は今も『撮る』事が楽しくて仕方ないのだそうです。撮る事が、生きる事なんですね。
 展示されていた写真は友人が生死の境を彷徨う大病を患った時のもので、今現在のものではないのですが、完治して病気の恐怖から解放された今だからこそ出せると思ったそうです。当時は入院したという事しか知らされず、心配する事しか出来ませんでしたから、改めて当時の写真を見せられて、今、元気で過ごしている友人を見ると感慨深いものがありました。
 私も年を取り病気がちになりましたが、朝起きたときに自分が生きている事を確認する…そんな経験はありません。どんなにか不安で恐ろしい毎日だっただろうと思います。目の前でにこにこと笑っている友人と、こうしてお喋りできる事が本当に…何に感謝してよいか分かりませんが、有り難い事と思いました。

a0095010_15553970.jpg写真は会場の『大倉山記念館』です。素敵な建物でしょう。昭和七年に建てられたものだそうです。
古い建築物フェチ(?)である私としては涎物で、建物の中をあっちこっち見て回りました。


a0095010_15561539.jpg太陽の光を受けて黄色く見えています。ガラスがこういう色なんでしょうか。ちょっと不思議。


a0095010_15564985.jpgこの扉の向こうがギャラリーです。友人の写真展はこちらで、この上の講堂で音楽会が開かれていました。


a0095010_15574696.jpg右側から見た所。くるっと一周しましたが、全然別の建物かと思うほど違っていて面白かったです。


 トイレが各階にあるのですが、1階がマニアックと言われて入って来ました(笑)
 男女別れてないのですが、上手く改装していて気になりませんでした。一つは和式でもう一つは洋式。古いトイレにある不潔感は全くないです。でも、ちょ〜寒い! 大理石とかタイルの装飾なので冷た〜い感じだし、広いからスースーするの。これでヒーター付の便座なら言う事ないのにな〜と思いました。
 昨今、こうした古い貴重な建築物がなくなりつつありますし、来年は古い建築物ツアーでもしようかと思っています。こちらでその模様をお伝えしますのでお楽しみに。

追記:先日最終回を迎えたドラマ『検事・鬼島平八郎』(浜田雅功主演)で使われていたんですね〜。家人に言われてやっと気がつきました。


 さあ、萌の吐き納めですから、お次はよろず感想文で〜す。
 本屋のポップにつられて買った漫画、2010年の手塚治虫文化賞「新生賞」を受けた『虫と歌』です。

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

市川 春子 / 講談社

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 実は、『手塚治虫文化賞』なんてものがあるのも知らなかったのですが(笑)。
 最近『バクマン』をちらみしていて、あれも『手塚賞』を狙ってますが、あっちは集英社の新人賞なのね。こちらは朝日新聞社主催で「現在の漫画をよく読む人」が審査員なんだそうで、漫画を描いてる側からしたらどうなのかな…とも思いましたが、まあ、そんな事は置いといて。大変面白かったです。
 今、友人に貸してしまっていて、あらすじが書けない…ので、こちらを参照くださいませ。最近、とっても横着になりましてよ…ええ。現在作品の紹介が載っておりますが、来年になったら消えちゃうかも。
 新生賞とは、「斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られる」との事ですが、本当に発想が面白いなと思いました。この賞は特に手塚先生の作品を意識したものに贈られる訳じゃないのですが、市川春子さんの作品には、手塚先生の作品を読むときに感じる、『生命の輝き』を感じました。
 四編の短編からなっています。全て人と、人でないものとの心の交流を描いた作品です。人が勝手に無機物を人に見立てて(最近多いですよね、擬人化)いるのではなく、人でないものがきちんと人格を持ち、喋り、考え、悩み、人と心を深く通わせます。とても不思議なお話で、ファンタジー…と言っていいか分かりませんが、現実にはあり得ないお話ばかりです。
 私は表題の『虫と歌』がとても良かったのですが、読みながら手塚先生の『ミクロイドS』を思い出しました。虫繋がりってだけじゃなく、生きている事、他者との間に紡がれる情愛と、結果的に生じる切なさと…いろんな事を考えさせられるお話です。
 そう言えば、手塚先生も荒唐無稽なお話をたくさん描いてますけど、ファンタジーと思って読んだ事ないですね。説得力があったからかしら…。『ミクロイドS』にしても『不思議なメルモ』にしても、違和感なく受け入れて読んでましたっけ。
 『虫と歌』の四編に関して言えば、逆に現実感は必要ないかも知れません。絵は決して上手くないですが、その不思議な世界がしっかりと創り出されていて素敵です。難を言えば時間軸がよく分かりません。回想と現行の部分がごっちゃになっていたり、時間の経過がいきなり過ぎる所も見受けられました。

「マンガは絵と文でできている。絵では表せない、言葉にもできない思いを、絵と文の間からたくさん感じとれるような、そんなマンガを目指します」との事ですが、たくさん感じ取る事が出来ましたよ。(とても共感する言葉です。私も文章の間から何かを感じ取って貰えるようなお話を書きたいものです)
 お仕事をされながら、一年に一作のペースで創作活動を続けられるそうです。また市川さん独特の素敵な世界が読める日を心待ちにしたいと思います。

 次回もよろず感想文、『ひらひらひゅ〜ん』と作者の西炯子先生について書きたいと思います。
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by apodeco | 2010-12-01 22:27 | よろず感想文 | Comments(0)