災厄のてびき

災厄のてびき
草間 さかえ / / 東京漫画社
スコア選択: ★★★★

My Favorite Comics.(R-18)

a0095010_2313513.jpg「本落ち」賞
『おお 疲れ○○! 俺なった事ない』
(「共犯のてびき」P55より「幸宏」の台詞)
※読書中、強く感動したり、驚いたりすると読んでる本を落とす癖があるのです。見事に「本落ち」した言葉に賞を贈りたいと思います。



のっけから伏せ字でごめんなさい(笑)。(※一番下に答えあり)
見事に「本落ち」いたしました。

 この生理現象は前から知っていました。その昔、こっそり読んだ「俺の空」(著:本宮ひろ志 男性側から描いた現代の“源氏物語”だそうです。興味のある方は是非どうぞ)の中でこの生理現象が懇切丁寧に描かれていました。しかしこのような呼び方だったとは初めて知りました。またひとつ勉強になりました(笑)。
 私にとって2册目の草間作品ですが、こちらの方が先の出版本だそうです。同人誌で発表された作品と併せて非常にエロ度の高いものになっています。

 火を見ることでしか欲情できない「幸宏」と、甲斐性無しの売れない小説家「武明」の恋のてびき。
 「武明」が近所で起きる連続放火現場で何度も見かける「幸宏」に不審なものを感じて声をかけた事から物語は始まります。自分の性衝動を普通じゃないと思いながら他に紛らわせる方法を知らないという「幸宏」に、ものは試しと「武明」がしたことは—。



 フェチとショタで良いコンビ(苦笑)なのかな?
 性的興奮を何で覚えるか、おいそれと他人に言えない人は少なくないと思います。自制しろと言われてもそれが出来れば悩みませんね。しかし「幸宏」のような火を見て、というのは非常に危うい。「幸宏」は「武明」に救われたカタチになりますが、この「放火現場での出会い」がふたりの間に災いを呼んで…。

 自分の性的欲求に戸惑いながらもどこかあっけらかんとした「幸宏」と、「武明」と弟の関係を知りながらそれを面白がっている、聡い「幸宏」の兄。対する「武明」は、傷つくことを恐れるあまり物わかりのよい大人の振りをしてしまう情けないオッチャン。手強い宮沢兄弟に「武明」が好いように振り回されて、最後にはなりふり構わない行動に出てしまうところがとても可笑しいです。
 幾つになっても恋をするとこんなに情けなくなってしまうのか、それとも『恐るべき子どもたち』にはやっぱり大人は叶わないのか(笑)。

 本編の他、4作品+描き下ろしと読み応え十分です。
 私はショタが苦手(と言いつつしっかり読んでいる…)なので、最後の「ばんごはん」は少々キツかったです。


a0095010_23191139.jpgMy Favorite Words.
『その向こうの清一は僕の友人の清一とは違う』
(「ピンナップ・スタア」P151より「尊」の独白)

 人にはそれぞれ他人に知られたくない秘め事が、少なからずあると思います。
その秘密を垣間見てしまったら、もう元にはもどれない——。
 ふと手にした写真の真偽が知りたくて、覗き穴から見てしまった秘密に深くはまってしまう主人公「尊」。
 江戸川乱歩の世界を彷佛とさせますが、内容は切なくて爽やかです。
 それにしても小道具の使い方が上手い。カメラのレンズ、隠し撮りの写真、覗き穴—
ほら、これだけでも充分そそられるでしょう(笑)。これで覗き穴から見た情事で自慰をしちゃってたら、もう完璧なんですけど(わ〜、助平)。「尊」は根っからノーマルな人なのでしょうね。それでも、自分の知らない友人の姿に確実に欲情していたからこそ「ピンナップスター」だったのでしょう。
 「尊」が向こう側とこちら側を冷静に見つめ続けて出した答えは—。

 兄貴がね、ちょっと猾いんです。でもその分切ない思いもするのですが…。「尊」は兄貴よりずっとずっと大人なんです。

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A. 疲れマラ
わからない方はご自分で調べてね。
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by apodeco | 2007-03-27 23:54 | BL感想文 | Comments(0)