“ダンディー”の神髄 モンテスキュー伯爵

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 ビバ、宝塚!って感じですね(笑) 池田理代子先生チックな絵になってしまいました。好きなもので。
 一月最後にもう一枚、頑張って更新しました。
 久しぶりの肖像シリーズです。現存の肖像写真を元にちょっと私のイメージを加えて、近代の(広い意味で)芸術家の絵を描いていますが、今回のロベール・ド・モンテスキュー=フザンサック(Comte Robert de Montesquiou-Fezensac, 1855-1921)伯爵の絵は、写真ではなく肖像画を元に描きました。
 イタリアの画家、ジョヴァンニ・ボルディーニ(1842-1931)が描いた『モンテスキュー伯爵』(1897)です。“ダンディー”を体現している伯爵に一目惚れしました。
 モンテスキュー伯爵はベル・エポック時代随一の伊達男、趣味人でした。名家の出身(かのダルタニヤンの末裔)で詩人であり優れた批評家です。プルーストが『失われたときを求めて』でシャルリュス男爵のモデルにしたという伯爵は、男色で知られた方なんだそうです。事の真偽はさておき、とにかくそのお洒落さには目を見張ります。
 正方形の枠に納めるために全体まで描けませんでしたが、茶系のカシミア地のスーツに、お揃いのシルクハットを左手にさり気なく持っています。黒い(ボウ)タイと白いキッドの皮手袋。手にしているのはルイ15世ゆかりのステッキだとか…。
 左腕にトルコ石らしいカフスがちらりと見えているのですが、これを模造したものが売っているらしいですよ(日本で手に入るか分かりませんけど)。着るもので目立つのは野暮なんだそうで、こうした細部に気を使っていたんですね。
 いったい本物はどんな絵? と思われた方は、Shotor Museum『名画とファッション』深井晃子著(小学館)をご覧になってください。
 これは“名画の魅力をファッションから鑑賞する”というコンセプトの本で、描かれた服装だけでなく、その人物や時代背景などにも触れていて大変面白い美術書です。興味のある方は是非どうぞ。
(伯爵本人については『1900年のプリンス』 フィリップ・ジュリアン著( 国書刊行会)に詳しく出ているそうです。未読)

ポイント…口髭
 いつもは顔を中心とした構図で黒を基調に仕上げていますが『モンテスキュー伯爵』の場合、今までとは違って全体の雰囲気が命なので、反対に白を基調にしてみました。
a0095010_16561572.jpg 口髭をレット・バトラー風(昔はこの人の魅力が分かりませんでしたが、今なら分かりますよ。年取ったのね私…)にしましたが、没にした左の絵の方がボルディーニの絵に近いです。
 本物は下唇の下にも山羊のような髭をはやしています。私のはフェロモン垂れ流し系になってしまいましたが、もっと落ち着いた上品な大人の男性です。

 さて、貴族という人種を見たことがないので、なかなかイメージしにくのですが、ぱっと頭に浮かぶのはヴィスコンティの映画です。『ルートヴィヒ』のヘルムート・バーガーが似ているかなと思いますが、こちらは1864年ころのお話なので、年代的には『イノセント』の方が合ってますね。でもイタリアのお話だから微妙に違うかも。
 私はイギリス映画(俳優)が好きなので『眺めのいい部屋』のダニエル・デイ・ルイス(←どあ〜い好きなんです〜。そのうち「男絵」でダニエル描きますよ!)は、と思ったのですが、これは更に20年ほど後の今世紀初頭の話で、貴族と平民の差が殆どなくなりつつある時代なんで、お洒落だけど華美じゃないのね。
 あまり映画を見ない私はこの辺が限界でした。19世紀末を描いたフランス映画で有名なのがあったら、どなたか教えてくださいませ〜。
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Commented by apodeco at 2008-03-28 21:10
初めまして、蝙蝠さん。言われてみれば、蝙蝠の形をしていますね。
口髭をこんなに綺麗な形に整えるのは、大変なのでしょうね? 確かにお蕎麦を食べるには邪魔かもしれません(笑)
神戸で「イノセント」ですか? 二年前でしたか、「ヴィスコンティ誕生100年祭」と称して「山猫」「ルートヴィヒ」「イノセント」という垂涎の特集があったのを、友人に教えて貰っていたにもかかわらず見逃してしまいました。やっぱり劇場で見たいですよね。
ボルディーニの現物と言うことは、オルセー美術館へ行かれたのですか? 私もウン十年前に行ったのですが、こちらも見逃しています。機会があれば是非、現物が見てみたいです。
まあ、この杖、ダリが所有していたんですか? 晩年の杖をついた写真を見たことがありますが、あれがそうだったのでしょうか。
物の命は長いですから、もしかして、今頃パリの蚤の市なんかで売っていたりして…。誰かに大切に使われていればいいと思いますが。
肖像画シリーズは、10人描こうと決めていますので、また是非、お時間のあるときにでもお立ち寄りください。
by apodeco | 2008-01-30 17:33 | 肖像 | Comments(1)