冬はお部屋で楽しい読書〜♪ — よろず感想文(非BL編)その1

 お久しぶりで〜す。皆さまお元気でお過ごしでしょうか? 
 秋の読書週間くらいに更新を…と思っていたのですが、もう冬ですね。酉の市も終わって年末の宝くじが発売になって…すっかり気分は年末です。

 近況報告をしますと、最近ぷーさんに変身し冬隠り中。
 クマになった訳ではないので、お金はないけど時間はあるぞ!状態でして、文化の日に念願のブルーインパルス(入間航空祭・タダ)を見に行ったり、日光に紅葉狩り(オゴリ)に行ったり、山で遭難(タダ)しかけたりしていました。(もっと他にやらなきゃならない事があるのにね…)

 そんな訳で、今回はよろず感想文です。お金がなくなるその前に漫画やら本やら大人買い(馬鹿ですね…)しまして、その中から + ちょっと思い出したぞ〜なお話。


a0095010_17312355.jpg おすすめ!


flat (1) (BLADE COMICS)

青桐 ナツ / マッグガーデン

スコア:



 新刊本ではないです。既に2巻出ています。
 見本があったんで、中身をちらっと読んで即買いました。良いですよ、コレ。面白い。
 帯に『そんなに おれが わるいのか。』(チェッカーズの歌かと思った)とありますが、主人公の平助はヤンキーな訳じゃありません。見た目はぼ〜とした普通の高校生。でも周りからは、「無神経」「自分勝手」「我が儘」とさんざんな評価です。課題を提出しない、出席日数は足りない…など普段の素行が悪いからです。でも、超マイペースってだけで(どんだけマイペースなんだとは思うけど)人間は悪くない。
 そんな平助の家にかなり年の離れた従兄弟、秋くんが預けられ「めんどうみてやって!」と言われる平助ですが、当然最初は放置プレイ。ところがこの秋くんが平助とは正反対の超忍耐幼児。我が儘一切言いません。平助はみんなに説教されて仕方なく秋くんの面倒を見ているうちに感じてくるものがあって——。

 本当に良い話だと思いました。
 人間はひとりで生きている訳じゃないと常々思っていますが、たとえ面倒でも、いろんな人と触れ合って、自分の頭で考えて、感じて、成長していくものなんだなって、素直に思えるお話がいっぱい詰まっています。
 しかもさらっと。平助の人柄と同じくほわ〜と描かれています。これが今時の漫画の特徴でしょうかね。
 周りの登場人物も素敵なんです。友人の鈴木や佐藤をはじめ、平助にそっくりなお母さん、その妹である秋くんのお母さんとお父さんも良く描けています。台詞は少ないけれど、「それ、わかる!」ってシーンがいっぱいあって笑えます。
 特にこの秋くんが、表情は乏しいんですが、からだ全体からものを発していて可愛いのなんの。
 お菓子づくりが趣味の平助に手作りお菓子を貰って仲良くなるのですが(餌付け)、これがもう平助に惚れてるのか?ってくらい懐いちゃって、秋くんのお父さんに「君がにくいよ」と言われるほど(笑)
 友人に、「これBLじゃないけど、将来、秋くんは平助を押し倒しちゃいそうじゃない?」って言ったら、
「頭、腐ってるね…」と言われてしまいました。私もすっかり一人前の腐女子?
 まだまだ続きそうな平助のハートフルボーイズライフ、是非お勧めします。



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 【 脱線もの語り、その1 】


「いや、この秋くんの執着は既にBLの域だわ!」と力説すると
「そんなこと言ったら、度がいった友情ものは何でもBLになっちゃうよ」と呆れられてしまいましたが、そうなんですねぇ〜、そうやっていろいろな小説をBLに再構築して見る向きがあるんだそうです。
 私は観てませんが、劇団フライングステージ(←ごめんなさい、よく存じ上げません)で夏目漱石の『こころ』を
先生とKとの同性愛の物語として上演(2008年)されたとか…。
 私は漱石先生大好きで、『こころ』は特に念入りに読みましたが、さすがにこれをBLには…読めませんでしたね。二人ともお嬢さんが好きだって言っちゃってますし……私の頭が固いのか、まだまだ腐女子として未熟者なのか? 
 海外では先生とKの関係を同性愛と解釈する向きが多いとか…。「ホモソーシャル」という意味でらしいですが。興味深いお話ですが、うちのブログでは扱いきれませんので棚上げ。
 再構築=二次創作として考えれば大いに『あると思います!』なので、再上演があれば劇団フライングステージの舞台、ぜひ見てみたいです。

 ちなみに、『こころ』は映像化されてまして、私はむか〜し夜中映画(子どもの頃から真夜中好き…)で見ました。
 検索するとまず市川崑監督(1955年)のが出てくると思いますが、私が見たのは新藤兼人監督(1973年)の『心』です。
 配役は先生(K):松橋登、K(S):辻萬長、お嬢さん(I子):杏梨、未亡人(M夫人):乙羽信子(劇中の役名は括弧内のイニシャル)。
 面白かったです。原作に忠実だったと記憶していますが、新藤監督解釈の『心』として見た方がいいかもしれません。
 先生役の松橋さんは最近はあまりお見かけしませんが、細くて甘い感じの美男子です。このK役の辻萬長さんが、無骨で無口で袴がよく似合う、私の思うKのイメージそのもの。
 この方は他にも市川崑監督の『犬神家の一族』(古いやつです)で刑事さん役で出てまして、胃薬をぶはっと吐いてる等々力警部のうしろに立ってますよ(笑)
 一番印象的なのが未亡人役の乙羽信子さんですね。すごい含みがある役で、Kを退けて(そんな素振りはないけれど、恐らく未亡人はKが嫌い)先生とお嬢さんがくっつくよう仕向けてるな〜って演技がちょっと怖い。
 先生はたぶんKが想うほどにはお嬢さんのこと好きじゃないんじゃないの…?と思うのに、唆されてKを出し抜いちゃって死なれちゃって…という感じでした。
 これに、実は先生はKを自分でも気づかぬうちに愛していて、お嬢さんとくっつかれるくらいならいっそ自分が奪ってやれ…みたいな無意識の意図が働いていたとかね〜〜。
 うわっ、ドロドロ〜♪ 確かに萌ツボくすぐられますね(笑)
 時代背景が違うので解りにくい部分はありますが、人間の本質にそう違いはないと思います。先生はどうしようもない“駄目人間”(バッサリ)ですが、作中の“私”を含め、私もこういう駄目人間に惹かれるところがあります。それは一体どうしてなのでしょうかね?
 未読の方は、是非ぜひ読んで頂きたいです。映画もお勧めです。私も市川崑監督の『こころ』、機会があれば観てみたいと思います。
 
 今回はとても長くなってしまったので、一旦区切りまして次回【よろず感想文(非BL編)その2】へ続きま〜す。
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Commented by たなか at 2009-12-08 10:53 x
『flat』わたしも読みました、これ。
同じく、見本を読んで、購入を決めた口です。
もう、秋くんが可愛くて可愛くて。
あんなに懐いてくれる子どもがわたしも欲しいーとか、
本気で考えてしまいました。(笑)
けど、わたしは料理が得意じゃないんで、だめだろうな……

あと、秋くんのお父さんが好きなんです。
秋くんの初めてのおつかいのときのお父さんの行動が、
もう微笑ましいったらありゃしません。
ホットケーキエピソードのときに、ぶつぶつ言いながら
ホットケーキを焼き続ける、秋くんのお母さんも好きです~

『こころ』についてですが。先生→ K という解釈については、
どこかで、わりと説得力のある論を読んだことがあります。
曰く、先生→お嬢さんの感情も、
それが K の想い人であるからこそ、増幅されたとかなんとか。
だからこそ、K からお嬢さんを取り上げたかったのだとか。
なるほど、ロマンチックな読み方だなぁと思いました~
Commented by apodeco at 2009-12-09 13:27
たなかさん、こんにちは〜。
秋くん、可愛いですよね。
最初は秋くんがあんまり無表情だから、両親に問題あり?とか
思いましたけど、二人とも素敵な両親で。
おつかいの時、私はお母さんが珈琲を飲もうとしたら空だった、
あのため息が可笑しくて。わかる〜(笑)
個人的には鈴木が一番好きです。

『こころ』を読んだ友人に、先生→Kの話をすると
やっぱり「ぶっ、ええ〜〜?」みたいな反応でした。
あっちもこっちも「わいのもんじゃ」だと、
若い頃の先生は、超エゴイストですね…。
『こころ』だけじゃなく、BLで読む『走れメロス』も
あるそうで…。もう解釈じゃなくて、二次創作ですね。
楽しいですけど、私は原作のままがいいかも…(苦笑)
by apodeco | 2009-11-25 18:19 | よろず感想文 | Comments(2)