読書(漫画)感想文『私のお勧め本』シリーズ — 2

窮鼠はチーズの夢を見る ジュディーコミックス
水城 せとな / / 小学館クリエイティブ
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My Favorite Comics(18禁)


a0095010_162854.jpgMy Favorite Words
そんなに簡単にいくと思わないで下さい
貴方が今いるところから俺のいるところまで来るのはとても大変なことなんですよ…
『楽園の蛇』「今ヶ瀬」の台詞

 「恭一」は、貴公子然とした風貌の優柔不断男。女に強く迫られると、断り切れずに関係を持ってしまいます。
 そんな「恭一」を慕う大学時代の後輩「今ヶ瀬」は興信所の調査員。たまたま「恭一」の妻からの浮気調査を担当し、7年振りに二人は会うことになります。
 不倫の事実を妻に伝えないことの代償に『貴方のカラダと引き換えで』取引しようと持ちかけます。
 脅迫者となった「今ヶ瀬」と「恭一」の関係は…




 タイトルからは想像出来ないお話です。このあらすじだと、かなりワンパターンな印象を与えてしまうかもしれませんが、もう、声を大にしてお勧め! します。
 大学時代は憧れのノーマルな先輩を、ただただ見ているしか出来なかった「今ヶ瀬」ですが、あれから7年—。興信所の調査員となった今や酸いも甘いも噛み分けた大人の男は、あの手この手で迫る迫る(笑)。
 一話目で二人の均衡をぶっ壊し「恭一」の生活に入り込みます。「恭一」の優柔不断さは男にも有効で、ニ話、三話と進むにつれて徐々に「今ヶ瀬」は「恭一」の心へ浸透していきますが、同窓会で会った女友だちや昔の女の登場に、相変わらずの「恭一」の態度は「今ヶ瀬」を傷つけてばかり。
 最初はクールな「今ヶ瀬」の迫り方が怖かったんですが、話を追う毎にすっかり「今ヶ瀬」贔屓に(笑)。可愛いんでよ、彼。
 冒頭の台詞ですが、こんな事を言えば「恭一」みたいな男は怖じけるのでは、と思うのです。ここまで決意しなければいけない恋愛は、誰だって避けたいところです。でも、だからこそ出ている言葉なんでしょうね。
 決意させたいんです。いつもの様に相手に流されて受け入れて欲しいわけじゃなく、自分の意思で受け入れて欲しいんです。
 自分の所まで来て欲しい —— 懇願です。
 追い詰めているようで、常に「恭一」に選ばせているんです。胸が打たれました。
 しかーし、私は
男と「男」を取り合うような真似だけはしたくないとつくづく思いました。きっと負けるわ、私。
 とにかく、御一読くださいませ。

【余 禄】******************************
 水城せとなさんは、この作品で初めて知りました。
 初期の頃はBL作品が多かったようですが、今はなかなか手に入りにくいです。
 いろんなタイプの作品を描かれていて、他には「S—エス」(バトミントに懸ける高校生のお話)、「ダイアモンド・ヘッド」(未読)などが書店ですぐ手に入ります。
 現在はプリンセスに「放課後保健室」を連載中。これもすごいです。ある意味BLですね。もはや性別は関係ないんです、このお話。
 ハッピーエンド好きの私には「う〜ん、う〜ん」と唸り声が出てしまいます。もうすぐクライマックスですが、どうなるのか全然予想が着きません。
 興味のある方は是非どうぞ。
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by apodeco | 2007-08-02 16:56 | BL感想文 | Comments(0)